内定獲得できる全31手法、最後の章は内定編だ。
これまでの章で紹介してきた手法を駆使すれば、内定を取るというステージに立つことはさほど難しいことではない。ただし、本当の勝負はここからかもしれない。
企業は、最後の最後で学生に対して「この学生は本当に入社してくれるのだろうか?」という疑問を払しょくするために、様々な探りを入れてくる。仮に内定を出しても辞退されたら話はふりだしに戻り、また一から学生を選考しなくてはいけないため、企業側としても余計な手間は省きたい。
学生側としては、その探りを華麗に受け流し、企業から内定を出してもらうことが目的となる。けっこうシビアな世界で、内定間際で出された質問に間違って答えたがために即お祈りというケースも、十分あり得るから気が抜けない。
最終面接以降、就活の最後の最後で使えるテクニックについて、ぜひ紹介させていただきたい。
それでは最後の章、早速見ていこう。
5.内定編
内定が出るかで出ないかの瀬戸際で役に立つ4つのポイントについて紹介する。
かくいう私も、この瀬戸際でヘマをしてしまい、取れるはずだった内定を取り逃がした経験があるため、あなたにはそうなってほしくない。
中途半端な態度が一番ダメだ。確固たる思いを持って人事部と対応することで、確実に内定を勝ち取ろう。勝ち取った内定はあなたのもの。受理するも良し、断るのも良しだ。なのでまずは内定をもらうことで、選択権を得よう。
目次
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- 5-1.一社目の内定を取ったら、それ以下の企業は切る
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- 5-2.「もう内定持ってる?」には都合よく答える
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- 5-3.もう就活辞めます!と言い切ってしまう
- 5-4.迷うのは、完全に内定を頂いてから
5-1.一社目の内定を取ったら、それ以下の企業は切る
あなたが、何社かの企業を受けながらようやく1社目の内定を獲得したとする。
そこからまずはじめにやるべきことは、内定を獲得した企業よりも、志望度が明らかに低い企業の選考を切るという作業だ。これは当たり前のようであるが、意外とこれをやらない学生が多い。
例えば業界一位の企業から内定を取ったとしたら、特別な思い入れが無い限り四位以下の企業は切るべきだと私は思う。なぜなら仮に四位の企業から後に内定を獲得したとしても、一位と四位を天秤にかけて四位を選ぶとは考えにくいからだ。同業界の二位や三位なら迷う気持ちもわかるが、四位以下では平均年収はかなり下がるし、企業規模にも大きな差がある。(地域性や仕事内容などで比べて、よほどの思い入れがあれば話は別)
なので、内定を取った企業と比べて圧倒的な差があるような企業はどんどん切っていこう。はっきり言って、明らかな志望度の差のある企業を受けるのは時間の無駄だ。そして、これができると時間の効率化が図れるようになる。
別に企業に対しても、切ることは失礼でも何でもない。むしろ、入社意思が低い企業の選考を受け続けていることのほうが、よっぽど失礼だし、迷惑だ。今すぐ連絡して、選考辞退しよう。
そしてぜひ、1社目の企業で満足すること無く、さらに志望度の高い企業から内定を取れるように頑張って欲しい。1社目の企業から内定を取ったことで、きっと見える景色が変わり、それまでは無謀だと思っていた企業に手が届きそうに思うこともあるだろう。そうしたら、このタイミングで新たにESを出してもいい。
私が指導した学生の中で、実は内定1社目の企業に実際に入社するケースは少ない。みな、1社目を言わば踏み台にし、二社目三社目と内定を獲得していった。基本的に1社目よりも志望度の低い企業は切るように指導しているため、二社目三社目でかなりの大企業から内定を獲得し、その企業に入社するという学生が多い。1社目で自信をつけたことにより、その後の面接では一切緊張せずに話すことができたという報告も多く頂いている。
いきなり無謀な挑戦をしても、手が届かなくてあっさりとお祈りされる。そうではなく、1つずつ階段を登っていくように内定を獲得し、最終的には自分が望む最高の企業から内定をつかみとる、そんなシナリオで就活を進めていただきたい。
5-2.「もう内定持ってる?」には都合よく答える
最終面接では、「君、もう内定持ってる?」と聞かれるケースもよくある。もしくは最終面接の前後に人事との面談が設定されていて、その場で「もう内定持ってる?企業名は?」と質問されることもある。
私個人としては、緊張が走る瞬間だ。結論としてこの質問に、うっかりと本音で答えてはいけない。この質問の裏には様々な意図や思惑があり、まさに人事と学生との駆け引きだ。注意していただきたい。
あなたの目的は、「内定を取ること」である。別に、内定持ってますアピールをして自慢することが目的ではない。ここでは人事の考えを汲み取り、冷静になって都合の良い答え方をしよう。
都合の良い答え方とは、人事から見て、内定を出しやすい学生になりきるということだ。パターンに分けて考えてみよう。
「もう内定持ってる?」には大きく分けて三種類の考え方がある。質問としては一緒だが、置かれている状況からどのパターンなのか考えた上で対応すること。
1.きっと断られるなパターン
人事部の思惑・・・「たぶん他でも内定持ってて、うちなんて第一志望じゃないんだろうな。」
→ 中小企業や業界内の順位が低い企業 また選考時期が遅い場合に見受けられる
答え方・・・「一応、◯◯という小さめの企業で内定は頂いているんですが、御社から内定を頂いたら断るつもりです」
2.チャンスがあれば内定出したいパターン
人事部の思惑・・・「もしかしたら内定持ってるかもしれないけど、もし無ければここで内定出して、あとは囲い込みすればいいな」
→ 業界内にライバルの多い業界(IT業界、ハウスメーカー、金融など)で多く見受けられる
答え方・・・「現時点では持っていません。他の企業も選考は進んでいますが、内定をいただけるとすれば御社が初めてです」
3.ぜひ入社してほしいパターン
人事部の思惑・・・「掘り出し物を見つけた。この学生なら、きっと入社してくれるだろうし、多分他で内定は持ってないだろうけど念のため確認だけしておこう」
→ 採用人数の少ない優良企業。ベンチャーやコンサル、少数精鋭の企業で多く見受けられる。
答え方・・・「いいえ、持っていません。そもそも受けている会社数も少なく、最も志望度の高い御社から内定がいただければ就活をやめるつもりです」
以上の特徴や、面接の雰囲気でこの中のどれなのか、ぜひ瞬時に判断して答えを選択していただきたい。あくまでも答え方は参考だし、これ以外のパターンもあるかも知れないが、大事なことは「質問の意図をしっかりと考える」ということだ。
どう答えるのが「内定がもらえる」という意味で最良の選択なのか。その企業にあわせて、都合よく答えられるようにしよう。
5-3.もう就活辞めます!と言い切ってしまう
5-2でも解説したが、最終面接になってしまえば企業は「あなたが本当に入社してくれるかどうか」これだけを気にしていると言っても過言ではない。
人事部にしてみれば、枠となっている人数が埋まればミッションコンプリートだ。今年の新卒採用活動は終わり。長く忙しい仕事も一段落し、人事部で打ち上げ飲み会でもやっていることだろう。笑
だが、埋まったと思ったら学生から内定辞退の連絡・・・
これは、一段落して気が抜けていた人事部にとってはキツい。埋まりかけていた募集枠に、また1人補充しなければいけないからだ。このようなことは近年の就活事情においては日常茶飯事である。このことをしっかりと理解してから就活に望んでほしい。
なのであなたが、少しでも辞退しそうな雰囲気を出してしまったらそれをリスクと感じ、あなたには内定は出さない。きっとあなたよりも辞退しなさそうな学生に内定を出すことだろう。つまりここでは、しっかりと辞退しないということを伝える必要がある。(仮に後で断るとしても、内定を取るためには必要だ)
方法としては単純だが、しっかりと「御社から内定をいただいたら、就活辞めます!」と言い切ることだ。さらに「御社以外には中小を2,3社受けているだけなので、内定をいただけたらお断りの連絡を入れる予定です」なんて付け加えて説明できれば十分すぎる。(仮にあとで断るとしても、内定を取るためには必要だ)
だが逆に、「まだ競合の◯◯と☓☓を受けているので、それの結果次第ですかね」なんてことを言った日には、これまで高い評価を受けていたとしても一瞬で落とされかねない。あなたの判断がどうこうというより、「あなたよりも辞退されなさそうな学生が他にいたら、そっちに内定を出す」というだけだ。迷っている学生を説得するにも一苦労だし、だったらすぐ入社してくれる方を選ぶ。本音では迷っているかもしれないが、それを見せてしまうと落とされる可能性も出てくる。だからこそ何でもかんでも本音で話すのではなく、こういった駆け引きが必要になるのだ。
「本心本音で、ありのままを伝えてこその就活だ」という考え方もたしかにあるが、残念ながらそれでは内定を取ることはできない。
そして、一度内定を頂いてしまえば、入社するかどうかの選択権はあなたが保有できる。その後人事部は大変な目に遭うことにはなるが、法的にも断ることは十分に可能だ。ずる賢い考えかも知れないが、少しでも待遇がよく、自分の希望通りの仕事をして人生を豊かにするために、まずは内定を取りにいこう。
5-4.迷うのは、完全に内定を頂いてから
全31手法の最後は、内定を取った後のテクニックだ。
最終面接を通過して内定をいただけるまでは、これまで紹介してきた手法を駆使していただければ何の問題もない。ここまで読んできたあなたが、1社目の内定を獲得する日はそう遠くない。
だが、1社目の企業についてはそこまで志望度が高いわけではなく、いわゆる滑り止めの企業だったということもあるだろう。そうすれば、あなたの気持ちとしては少なからず「迷い」が生じるはず。
しかし、4章で紹介したとおり「御社が第一志望です!と言わない限り内定は出ない」というのは事実だ。すなわちどんな企業であっても内定を取るために第一志望アピールはしなくてはいけない。
迷いは絶対に見せてはいけない。少なくとも、内定を頂くまでは。
内定を取ったら選択権はあなたにある。ぜひ、ここからはその迷いを人事部に打ち明けてみよう。そうすれば、入社してからの制度や福利厚生のことを事細かに説明してもらえたり、OBを紹介してもらって相談をする機会をもらえたりもする。そこで相談した内容を元に、内定を辞退してもいい。そこは大学生が法で守られているところだから安心してほしい。
つまり、入社するかどうか迷ったり、吟味したりするのは内定を取ってからで良いということ。逆に言えば、内定を取るまでは迷っているような素振りは一切見せないことが重要になる。企業側からあなたに、安心して内定を出せるような環境を作ってあげよう。
内定編 まとめ
内定が取れるかどうかの瀬戸際で役に立つテクニックや考え方について紹介してみたが、いかがだっただろうか?
あなたが就職浪人するんじゃないかと不安に思っているのと同じくらい、人事部もあなたに内定を出したら断られるんじゃないかと不安に思っている。そのため、他社選考状況の説明はもちろん、「第一志望です!」「内定出たら就活辞めます!」という主張によって人事の不安を取り除いてあげることが必要になる。
初めての最終面接はだれでも緊張するもの。面接前に話すことをしっかりと確認しておこう。
就活総まとめ!の、まとめ
ここまで解説してきた全31手法、すべて身に付けることができればあなたの1社目の内定も目の前だ。そして、1社内定が取れれば2社目以降はすぐに内定が取れる。そしてどんどんコツが分かっていき、難関企業から内定を取ることも夢ではない。
エントリーから始まり、ES、スケジューリング、面接、そして内定。この流れに沿ってきたおかげで、私の指導した多くの大学生が自分の実力以上のものを発揮し、内定を連発させるなど就活を成功させてきた。
きっと、世間で言われている就活の手法とは大きく異なるものも多かったと思う。だから、世間に流されず、このブログの他のコンテンツもぜひ読み込んでいただきたい。
自己分析とか説明会とか、意味があるのかどうかよくわからないことではなく、結果が出ている確実な手法を駆使しながら、気を抜かずにゴールまで走り抜けていただきたい。