「自己PRがうまく作れないんですけど、どうしたらいいんでしょうか?」
「自分には強みが何もないから、PRすることが無いんです」
「アルバイトの自己PRじゃ就活不利って聞いたんですけど・・・」
などなど、学生からこうした自己PRに関する悩みをよく聞く。
自己PRは就活において最も重要な文章と言っても過言ではない。あらゆる企業のESや面接で質問され、履歴書にも書く必要がある。そのため、質の高いじこPRが作れるかどうかが、あなたの就活を大きく左右すると言っても過言ではない。
そこで、履歴書やESでの評価を高める自己PRの書き方について紹介する。全8ステップで構成される自己PRの書き方を、ぜひ今すぐ試していただきたい。
ちなみに、自己PRが作れない学生の特徴としては、
- 「自分に強みなんて何もない」
- 「頑張ったエピソードなんて無い」
- 「大学時代は遊んでただけ」
要するに、アピールできることが無くて困っているらしい。
こうした、自分に強みや誇れるエピソードが無くて困っている学生が実際多いようだ。しかしそれでも、将来のことを考え、就活を成功させたい気持ちはどの学生も共通だと思う。
そこで今回、誰でも簡単に自己PRを作れる方法を解説する。
信じられないかもしれないが、丁寧にひとつずつ進めていけば、30分後にはあなたの自己PRが出来上がる。それも、正しく作ればエントリーシートや面接の通過率がかなり上がる、クオリティの高い自己PRだ。
「自分は自慢できることもないし、無理だ!」と簡単に決めつける前に、ぜひ手を動かしてみよう。
それでは初めていこう。
1.自己PRの役割と意味を理解する
まず最初に、自己PRとは何なのか、ということを理解しておこう。
そもそも就活とは、その会社に入社するために自分をアピールし、企業の採用担当にいかに評価してもらえるかどうか、という勝負だ。自分をアピールし、その会社で働いて結果が出せる人間だ、使える人間だということを判断する要素の一つが自己PRだ。
自己PRとは、文字通りあなた自身のPRである。そして、PRする相手は企業の採用担当になる。
「自己PRをしてください」「学生時代頑張ったことを教えて下さい」「あなたの強みを教えて下さい」など、聞かれ方は様々だが、あなたのこれまでの経験をアピールしてください、という形式で聞かれることが多い。
しかし、まだ社会人になったわけではない学生が自己PRをする以上、「私は御社で活躍できます!」と言っても、まだ仕事をしていないので正直なところ説得力に欠ける。もちろんインターンや営業バイトなどで仕事の経験があるならぜひそれをアピールしていただきたい。しかし大半の学生の場合はそれはできないため、仕事の代わりに、学生時代に何かで努力・活躍した経験を伝えることで、「仕事でも同じように活躍できますよ」とイメージしてもらうことになる。
ここまでが大前提。
「私は御社で活躍できます!」ということを、学生時代のエピソードによって擬似的に伝えること。これが就活における自己PRに他ならない。間違っても、「私は友だちが多いことが自慢です!」とか「スマホゲームが得意です!」などとは絶対に言わないようにしてほしい。
2.エピソード選び
大前提を理解したところで、実際にあなたの自己PRで使うエピソードを決めていこう。
2-1.エピソードを箇条書き
まずは学生時代のあなたの経験をノートに書き出してみて欲しい。
PRになる基準は「自ら行動を起こしたことがある」ということ。これを満たしていれば、所属しているサークル、アルバイト、学業、ボランティア、インターン、どんなエピソードでも構わない。できるだけ多く書きだそう。
ちなみに、私Kが実際に就活時に書き出したのがこれだ。
- 修論の中間発表で高評価
- 大学4年次のチーム開発経験
- バスケットボールサークルで副キャプテンとして市の社会人大会で優勝
- バスケットボールサークルで後輩の女子チームのコーチとして指導
- アルバイト先で業務の効率化を図った
- オークションで20万円稼いだ
大学時代に自慢できるようなことをたくさんやってきたわけではないが、そんな私でも6つエピソードは出した。もちろん多ければ多いほど良いが、3つほど出せれば十分だ。
2-2.成果が示せるエピソードから順位付け
箇条書きしたエピソードの中から、特に成果が示せるエピソードを選び、順位をつけていこう。 成果というのは、「大会で優勝」「コンテストで1位」「売上に10%増に貢献」などが分かりやすい。もしこういった分かりやすい成果が無い場合は、「ある人から褒められた」「失敗することが無くなった」などの、抽象的な成果でも特に問題はない。
ちなみに私は次のように設定した。
- バスケットボールサークルで副キャプテンとして市の社会人大会で優勝
- オークションで20万円稼いだ
- 修論の中間発表で高評価
- 大学4年次のチーム開発経験
- アルバイト先で業務の効率化を図った
- バスケットボールサークルで後輩の女子チームのコーチとして指導
2-3.自己PRは一つではなく、複数用意するつもりで
順位をつけてもらったが、別に1位のものだけを作って終了ということではない。なぜなら、就活ではひとつの会社から複数のエピソードについて聞かれるからだ。 中にはESで、「学業で頑張ったことは?」「学業以外で頑張ったことは?」と2つの質問をしてくる企業もあるため、複数用意しておかないと勝負にならない場合がある。急に準備しろと言われても大変なので、なるべく事前に複数準備しておくことをおすすめする。
ちなみに私Kの場合は、
- バスケットボール
- オークション
- 修論の中間発表
この3つの自己PRを作っておき、就活に望んでいた。かなり深堀りしてくる企業にも対応することができたので、3つ作っておいて本当に良かったと思っている。
3.頑張った要素を洗い出す
エピソードが決まったら、1つずつ要素を洗い出していく作業に移っていこう。
以下の項目について、答えを書き出していって欲しい。
- いつ頑張ったのか?
- どこで頑張ったのか?
- なぜ頑張ったのか?
- 何を目指して頑張ったのか?
- どう頑張ったのか?
- 頑張った結果、どうなったのか?
- 頑張った結果得たものは何だったのか?
これら7つの質問について、事実を基に書いていこう。 答えはひとつでもいいし、たくさんあるならたくさん書いておこう。もしどうしても書けない場合、ここでは空欄でも構わない。 書けるだけ書き出したら次に進もう。
4.自己PR用の4段構成に落としこむ
自己PRの文章は、「4段構成」に当てはめると非常に綺麗な流れになる。
4段構成というと「起承転結」を思い浮かべるかもしれないが、これを300文字とか400文字程度の自己PRの文章に当てはめるのは意外と難しい。そこで、この起承転結をベースにして私が考えたのが、以下の自己PR用の4段構成だ。
- 背景
- 頑張った経緯と目標
- 実際に行った取り組み
- 頑張った結果
先ほど書き出したことをベースにして、この4段の各項目を文章で埋めていこう。できあがったら、4段の流れが反れていないか確認した上で、一連の流れの文章をつくろう。
5.結論を作る
文章のメイン部分が完成したら、最後にこの自己PRで最も伝えたい「結論」を作ろう。自己PRの文章におけるタイトルのようなものだ。
言い回しは自由だが、例をいくつか挙げておく。
- 私の強みは〜〜です。
- 私は〜〜な人間です。
- 〜〜が私のモットーです。
- 〜〜では誰にも負けません。
メインの文章を見て、結論としてどういったことが言えるのか考え、各種言い回しに当てはめて結論を作ろう。
ちなみに、私Kは上記の3つのエピソードに対して、
- 「結果に妥協せずに改善し続ける」これが私のモットーです。
- 私の強みは「選択と集中」を継続する姿勢です。
- コスト意識と効率化には自信があります。
こうした結論をつけていた。
6.文章の初めと最後に結論を入れる
「結論から言い、結論で終わる。」これはどんな文章においても共通の大前提だ。
そこでここまで作ってきた自己PRにも初めと最後に結論の文章を入れよう。 ただし、全く同じ言い方では日本語として締りが悪いので、少し言い回しを変えていこう。
私が設定したのはこちらだ。
文頭:「結果に妥協せずに改善し続ける」これが私のモットーです。
文末:このように、成果が出るまで諦めずに結果を追い求め続けることが、私のモットーです。
7.全体を整える
ここまで作ってきた文章をもう一回確認して、全体を整えよう。整えるためにやるべきことは、「声に出して文章を読むこと」だ。できれば声に出した文章を録音し、聞いてみよう。そうすると、この部分は読み手にとって分かりにくい、もっと補足する必要がある、といったことが明確になるのでかならずやっていただきたい。
念のため、実際に私が就活中に使っていた自己PRを載せておくので、ぜひ参考にして欲しい。
文頭:「結果に妥協せずに改善し続ける」これが私のモットーです。
背景:所属するバスケットボールサークルで副キャプテンに就任した際、知識のある選手が他にいなかったため、チーム全ての戦術を考えると同時にプレーでもチームを引っ張ることが求められました。
頑張った経緯と目標:前年の市の大会で優勝できなかったため、チーム全体の強化と市の大会での優勝を目標に、次の3点に取り組みました。
実際に行った取り組み:1ミーティングでの反省を練習に活かすというPDCAサイクル、2自らの欠点を補い、チームのモチベーションを向上させるための朝練、3練習の中で日によってメンバーを選抜することでプレッシャーを演出
頑張った結果:その結果、試合で活躍できる選手がどんどん増えていき、かつ全勝優勝という目標を達成することができました。
文末:このように、成果が出るまで諦めずに結果を追い求め続けることが、私のモットーです。
さあ、ステップ通りに自己PRがうまく作れただろうか?
ある程度の形にはなったかもしれないが、まだここで終わりではない。最後のステップだ。
8.就活をしながら、日々推敲を続ける
簡単に言うと、自己PRに終わりはない。
作成した自己PRは日々推敲し、修正を続けていって欲しい。特に面接で自己PRを話すと、相手からツッコミを受けたり、顔の表情を見るだけでも内容が伝わっているかどうかがすぐに分かる。
- 「もっと良い言い回しがあるのではないか?」
- 「これだと、前提知識がない人には伝わらないのではないか?」
- 「面接官が営業系の人ならこう、技術系の人ならこう説明したほうが良さそうだ」
就活を続けながら、徐々に良い物を作っていこう。自己PRに終わりはない。逆に考えれば、後から修正していけばいいので最初はクオリティはそこまで気にしなくてOKだ。ただ一度作って満足するのではなく、少しずつ修正を加えながらより良い自己PRを作っていこう。
まとめ
誰でもかんたんに自己PRが作れるステップとして、具体的なステップを例文付きで紹介した。
これだけ細かく解説した理由は、それだけ自己PRが重要だからだ。基本的に、100%すべての企業で自己PRは聞かれると思ってもらって問題はない。現に私も、聞かれ方はいろいろあるにしても、自己PRを話さずに進んだ選考は一度もなかった。
「大学時代、大したことはしてこなかった」という学生も、些細なエピソードでもいいから一度このステップに乗せて自己PRを作っていただきたい。一度作ってしまえば、あとは日々推敲していくだけだ。
納得のいくまで推敲・修正を続けていき、ぜひあなたにとっての最高の自己PRを作っていただきたい。